Project Title
空間デザイン概論
プロジェクト概要
空間デザインがもつ価値の探求と可能性の拡張
- 動機・課題
建築やデザインには、それぞれに固有の考え方やものの見方があり、そこには多くの知恵や工夫が詰まっています。そうした知性は、つくられたモノ自体に宿っているだけでなく、本や論文といったメディアを通しても積み重ねられてきました。空間デザインの世界は、たとえば展示会のように、ほんの数日で姿を消してしまう一方で、建築のように場所にしばられることなく、さまざまな領域を横断しながらデザインを展開できる柔軟さも兼ね備えています。また、映像や音、グラフィックなど、あらゆるメディアを空間の中に取り込んで計画できるという点では、まるで総合格闘技のような幅広さもあります。
少し抽象的に捉えてみると、空間デザインは、建物などの「骨組み(スケルトン)」と、そこでの体験や運営といった「ソフトな部分」をつなぐ、橋のような役割を果たしているとも言えるかもしれません。そう考えると、建築やデザインといった既存の枠組みとは少し異なる、空間デザインならではの“独自の価値”がそこに根づいているのではないでしょうか。その価値を丁寧にすくい上げ、社会に活かし、未来へとつないでいくことを行います。
- 仮説・解決方法
1.インプット:空間デザインの価値やユニークネス(優位性・競争性)の研究 →ヒアリングやインタビューなどを加味したリサーチを行います。
2.アウトプット:研究して得られた成果の発表や共有 →講義・レクチャー形式あるいは体系化して発表を行います →そのなかで得られた情報をもとに どのようなパッケージングで伝えるとふさわしいのかを想定し、発信を行います。
- 将来的なビジョン
キーワードは「巨人の肩の上に立つ』 我々はどこから来て、今どこにいるのかを知ることで、それによって先人たちの長大な蓄積を、今のクリエイティブのパワーへと変えていくこと、すなわち軸を作ることをビジョンとしています。”優秀なクリエイターは、自らの分野の優秀な歴史家である”といわれるように、空間デザインの分野が培ってきた豊穣な歴史をひもとき、クリエイティブのパワーへと変えていくを目的とします。
大栁 友飛
デザイナー
「空間とはなにか?」という根源的な問いのもと、デザインを通じた空間の探求と可能性の拡張がミッションです。空間のデザインはもちろん、マテリアルの開発やシステムの構築、ときには研究をして論文や書籍の制作を行うなど、多岐にわたって活動中。
小阪 雄造
デザイナー
展示的思考のアプローチから着想を得て、クライアントのニーズに合わせたリサーチとプランニングに基づいた空間ディレクションを行う。「展示とインテリアの融合」をテーマに、オートクチュールのエッセンスを体現した唯一無二の空間を創造する。