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NOMURA OPEN LAB 2026を今年も開催します!
乃村工藝社・未来創造研究所は、研究拠点Creative Lab.における活動を社内外にひらく「NOMURA OPEN LAB 2026」を、2/2(月)から2/6(金)の5日間にわたって開催します。NOMURA OPEN LABは、研究や実践の現在地を共有しながら、肩書きや立場を越えて、これからの社会や空間について考える場です。私たちは、日々の仕事や研究、現場で感じる気づきや変化の兆しを持ち寄って、皆さんと語り合いたいと思っています。未来創造研究所のメンバーや多様なゲストによるトークセッションを中心に開催し、展示や交流も楽しんでいただける時間もご用意しています。さまざまな人と出会い、会話を交わしながら、言葉にならないモヤモヤも、考えかけのアイデアも、試行錯誤の只中の活動も、オープンラボに集う仲間と一緒にひらいていく。そんな未完成でオープンな対話の空間で、ちょっと未来を話しましょう。イベント概要開催期間:2026/2/2(月)~2026/2/6(金) 時間:10:00~20:30会場:乃村工藝社本社 S棟2F未来創造研究所 Creative Lab. 定員:各トークセッション 50名参加費:無料 申込み〆切:2026年2月1日(日)17:00参加・会場利用にあたっての諸注意各トークセッションは定員に達し次第申し込みを締め切ります社員も社外の方も必ず1人1枚チケットを申し込みいただきますようお願いいたしますお申し込みのトークセッションの10分前までに会場にお越しくださいトークセッションにお申し込みいただいた方は、その時間の前後に展示や交流会にご参加いただけます展示や交流会のみのご参加は承っておりませんのでご了承ください受付及びメイン会場となるCreative Lab.は、靴を脱いでお上がりいただきます名刺を2枚ご持参いただき、受付でお渡しください当社および登壇関係者による広報用写真・動画の撮影や、マスメディアによる取材が入る可能性があります。各種広報資料やマスメディアへの情報提供、各媒体で使用する場合があります。予めご了承ください。各プログラムは予告なく変更・中止・延期になる場合や、主催者都合により参加をお断りする場合がありますトークセッションーDAY01 2/2(月)TS-01:10:30~12:00出版社・日経BPコンサルティングからみた書籍「空間の歓びと感動学」ゲスト:株式会社日経BPコンサルティング 酒井亜希子氏 / 市本佑喜子氏 / 斎藤睦氏乃村工藝社:青野恵太 / 大栁友飛出版社である日経BPをゲストに迎え、書籍『空間の歓びと感動学』を編集・出版の視点から読み解く。「空間が人に歓びや感動をもたらすとはどういうことか」という問いを、デザイン論に留めず、社会・経済・ビジネス・学術といった広い文脈の中で捉え直すことを目的としています。出版社という第三者の視点を通すことで、本書が提示する「歓び」「感動」「空間」という概念が、なぜ今の時代に必要とされ、どのような道へと接続しているのかを明らかにし、感覚的・経験的に語られがちな空間体験を、言語化し、構造化し、知として提示する意義についても深掘りします。TS-02:14:00~15:30インハウスという環境から生まれた、創造力。乃村工藝社:清水茂美 / 安田紘基 / 小阪雄造 / 後藤慶久 / 山口茜普段のクライアントワークではないDESIGNART出展活動を続けてみえてきた、インハウスデザイナーという存在の面白さや葛藤、そしてこれからの可能性について考えます。組織に属しながら高い専門性を磨く多様なクリエーターが、自分たちの視点で社会にどのような価値を発信できるのかを考え続けてきた背景や想いを話し合う。成功談だけでなく、迷いやジレンマ、転機といった経験がどのように価値観を形づくり、個々のユニークな想像力、そして集団としてのプロフェッショナルにつながっているのか。外からは見えにくい、時間をかけ静かに積み重なってきたエネルギーを含め、インハウスならではの発想や創造の可能性に焦点を当て、デザイナーの活動のあり方を議論します。TS-03:17:00~18:30「おもしろいほうへ」 ~公私混同のススメ~ゲスト:トヨタ自動車株式会社 ビジョンデザイン部 部長 中嶋孝之氏乃村工藝社:山口茜変化の激しい時代、企業が“生業の先”にある未来をデザインするには、何が大切だろう。乃村工藝社でR&Dをやってみて思うのは「個人のパッション」の重要性。どうやってプロジェクトを創発している?どんな風にチームを創っている?などなど、トヨタ自動車ビジョンデザイン部を率いる中嶋さんが掲げる「おもしろいほうへ」というステートメントに込めた想いを紐解きながら未来を動かすデザイン組織の条件を多角的に議論します。ーDAY02 2/3(火)TS-04:10:30~12:00飯能の森から生まれた「手ザイン」オムニバスゲスト:株式会社ウォールデンウッズ代表 吉川和人氏 / 株式会社 村上建築工舎 代表取締役社長 村上聡氏 / 有限会社創林(木楽里) 井上淳治氏 / 西川バウム合同会社 浅見有二氏乃村工藝社:數坂幸生 / 杉本たく / 村山明宏 / 梅田晶子 / 井上裕史 / 上杉信介 / 周戸夏音国内の人工林が利用期を迎える中、森林資源を循環利用し森と林業の持続性を実現するために、国や自治体も非住宅分野の木造・木質化を促進しています。2010年のフェアウッド応援宣言以来このテーマに取組んできた乃村工藝社グループから、R&Dの最新の活動をご紹介します。手をつかって思考することによる、産地の課題解決に向けた木材利活用の促進に取り組む「手ザイン」。今年度は飯能の林業・木材生産業の方々との協働で家具を製作し、「板橋ととと」への空間実装ケーススタディを実施しました。その道のゲストをお迎えし、同プロジェクトチームメンバーと共に、森からはじまり連鎖する創造の熱をリレートークでお届けします。TS-05:14:00~15:30クラフトビール麦芽かすを、微生物のチカラで堆肥へゲスト:株式会社グリーンディスプレイ 大塚淳一氏 / JS(日本総合住生株式会社)技術研究所 戸井田健氏乃村工藝社:江藤忠邦クラフトビール麦芽かすを、微生物のチカラで堆肥へという取り組みを紹介します。都市の「消費するだけの暮らし」から、資源・知識・関係性が巡る「再生する暮らし」へという大きな枠組みのなかで、「リニューアブル」な暮らしとコミュニティー作りの初めの一歩の取り組みです。実施の作業フローとその中で微生物がどのようなメカニズムで麦芽かすを良質な堆肥に変えていくのか、実施例をもとに科学的に解説します。また、微生物の多様性が、植物や生態系、そして人間にどのような影響を与えるかを考察し、将来的に微生物多様性が空間の環境品質の基準となる可能性についてもディスカッションを試みます。TS-06:17:00~18:30そこにいる人と一緒に創るごちゃまぜな居場所ゲスト:京都大学 総合博物館 准教授 博士(工学)塩瀬隆之氏 / 社会福祉法人愛川舜寿会理事長・春日台センターセンター 馬場拓也 氏 乃村工藝社:松本麻里場を使う人・創る人・働く人、それぞれの思いをごちゃまぜにして居場所を創ってゆく。そのアプローチを有識者・事業者のそれぞれの目線から深掘りし紐解いてゆきます。空間づくりは「みんなのもの」であること、ごちゃまぜのプロセスが誰もが心地よい居場所を創る鍵となる空間づくりのアプローチを探っていきます。ーDAY03 2/4(水)TS-07:10:30~12:00「公と私の間」のつくりかたをつくろうゲスト:場づくりマーケティングコンソーシアム・慶應義塾大学教授 玉村雅敏氏 / 場づくりマーケティングコンソーシアム・慶應義塾大学特任講師 星出祐輔氏乃村工藝社:渡邉創 / 鈴木和博これまで私たちは公と私を分けることで効果的にその利便性を享受してきましたが、多様化する現代社会では弊害も生じつつあります。公私のどちらでもない中間領域としての「間」を仮定したとき、それが生み出すものは何でしょうか?特定の個人でなく、かといって不特定多数でもない、"特定多数"が緩やかなつながりを編みながら醸し出す場には「わたしたちの」と感じられる新たな居場所として、大きな可能性が広がっています。今回、先駆的な事例から「間」に対する複数の「問い」を抽出しました。問いから始まる対話を通じて、「未来の場づくり」のつくり方を一緒に考えてみませんか?※慶應義塾大学SFC研究所との研究コンソーシアムの一環となります。TS-08:14:00~15:30平常時と災害時をつなぐアイディアで、未来の命を守るゲスト:フェーズフリー協会代表理事 佐藤唯行氏乃村工藝社:斎藤雄一 / 岡本悠雅フェーズフリーとは、私たちが日常的に利用しているモノやサービスを、「日常時」と「非常時」という社会の状態(フェーズ)の区別なく使えるようにする考え方です。通常は災害時にしか役に立たない設備や仕組みを、普段から役立つものとしてデザインすることで、災害時にもそのまま活用できる仕組みをつくるという発想です。私たちが携わった事例を手がかりに、社会のフェーズを越えて機能し続ける空間とは何か、そしてその発想を企画やデザインにどう落とし込めるのかを探っていきます。TS-09:17:00~18:30未来の商業施設を、もっとワクワクさせるには?ゲスト:NOT A HOTEL株式会社 CSO室 黒田哲二氏 乃村工藝社:乃村隆介現代の商業施設はなぜ均質化してしまったのか。ライフスタイルが激変し、消費志向が多様化する今、私たちは「効率」を超えた未知の体験を求めています。意志のある開発に、好奇心が吸引され、商業の本質は人とモノが交差する熱量にあります。不確実な時代だからこそ、商業の歴史を紐解き、現代の集客コンテンツから学び、商いの可能性を再定義することで、「未来の目的地」の在り方を探ります。ーDAY04 2/5(木)TS-10:10:30~12:00みんなと五感あそびゲスト:発明家・プロダクトデザイナー 高橋鴻介氏 / ブラインドコミュニケータ 石井健介氏 乃村藝社:松本麻里 / 井部玲子五感それぞれが持つ独特の魅力に光を当て見る・聞く・触る——それぞれが違う心地よさや不思議さを語り合いながら、言葉を超えたコミュニケーションが生まれるあそびについて語り合います。セッション中には会場のみなさんと「楽しい!」という感覚でつながるあそびの体験も。TS-11:14:00~15:30イベントが生むイノベーションの種ゲスト:代官山T-SITE 館長 本所優氏 / 代官山 蔦屋書店 販促企画Leader 川口悟氏 乃村工藝社:後藤慶久イベントは、特定の時間と空間に人・モノ・情報が集約されます。そこでは瞬間的なチームが組成され、多様な主体が目的に向かって協働する場となります。また、日常から切り離された非日常の体験は、新しい価値観や関係性を受け入れる土壌をつくり出し、新しいカルチャーが芽吹く可能性を秘めています。 未来創造研究所も参画した「代官山爽涼祭2025」では、地域のお祭りを超えて、企業と場の持つ力が結びつき、イノベーションの実装実験が行われました。本イベントを事例に、優れたプラットフォームとしての「イベントの力」をひもときながら、未来のイベントのあり方について考察します。TS-12:17:00~18:30共創空間実践からみえた「100坪と女将理論」ー企業の未来を体現する場のデザイン vol.2ゲスト:株式会社ロフトワーク LAYOUT事業部 共同事業責任者 松井創氏乃村工藝社:斎藤雄一 / 山口茜これまで、さまざまな企業の共創空間づくりに関わってきた私たちが、自ら場を持ち、実際に運営してみました。すると、設計図だけでは見えなかった悩みや、空間が人の行動や関係性をそっと変えていく瞬間に、数多く出会うことになります。さらに他社の担当者の方々と話していると、不思議と似た話が繰り返し聞こえてきました。広さはだいたい100坪が心地いいこと。もうひとつは、場の環境や空気を凛と整える「女将」のような存在がいること。この二つがそろうと、場は自然と動き出します。本セッションでは、そんな気づきを手がかりに、共創空間の本質を一緒に紐解いていきます。ーDAY05 2/6(金)TS-13:10:30~12:00目の前の兆しから考える、ちょっと未来の空間のはなしゲスト:調整中乃村工藝社:調整中未来は予測できない?確かにその通りです。けれど、社会の変化は突然現れるわけではなく、いつも小さな兆しとして、私たちの足元に現れています。いま当たり前になっている風景の多くも、5年、10年前には、かすかな違和感として存在していました。空間の変化は、テクノロジーの進化ほど速くありません。だからこそ、変化は見えにくく、同時に、読み解く価値があります。この回では、身の回りに散らばる兆しを手がかりに、これから訪れる「少し先の空間」を、立ち止まりながら考えていきます。TS-14:14:00~15:30境界を越えてゆく Culture&Artゲスト:調整中乃村工藝社:杉本たく / 松本麻里解釈のグラデーションがあり正解も不正解もないアートは人々の心を揺さぶる存在として、国境を越え、性別を問わず、年齢の壁を溶かすコミュニケーションの鍵となる。私たちは、そんなアートの力を信じ、企業姿勢を体現する文化事業を展開する企業のキーマンと共に、これからのアートと空間の在り方を探ってゆきます。TS-15:17:00~18:30「迷い」と「ズレ」の創造性 ―不確かさを味⽅につけるためにゲスト:編集者・執筆家 山若将也 氏 / モデル・KEIMENディレクター 岡田章吾氏 / DJ ・作曲家 GONNO氏乃村工藝社:後藤慶久 / 山田大地 / 原直瑠 / 小山田創先の⾒えない不確かな状況に置かれることがある。企業活動にしろ、個⼈の創作や⽣活にしろ、答えがわからず⽬的から逸脱した状態は不安だ。不快ですらある。しかし、その不快さこそが、実は豊かな資源だとしたら……?乃村⼯藝社の資源と音をテーマとしたR&D プロジェクト〈noon by material record〉にゆかりのあるクリエイターを迎え、それぞれの活動と経験を⼿がかりに、「迷うこと」「ズレること」から⽣まれる創造性をひもときます。進路を迷い、最短路からズレていくときに⽣まれるものとは? ⽬的合理性の内外を探検しながら独⾃の活動を進めるための心構えを、一緒に考えてみましょう。活動展示会期中は、未来創造研究所が現在取り組んでいる研究や活動の一部を展示として公開しています。現在取り組んでいる活動やプロセスをご覧いただけます。(詳細は2026年1月以降に未来創造研究所Webサイト内で公開予定です)
シリーズイベント「人と空間のちょっと未来」第3回 『錯覚や触覚から認知のふしぎをひもとく-「感じ方のデザイン」が紡ぐコミュニケーションのかたち』開催!
自分たちを起点にしながら、さまざまなアイデアのタネづくりを目指し活動をつづける未来創造研究所。社会や暮らしが大きく変化していく、その先にある新しい関係性を多角的に探るべく、シリーズイベント『人と空間のちょっと未来』を開催しています。3回目となる今回は、『錯覚や触覚から認知のふしぎをひもとく-「感じ方のデザイン」が紡ぐコミュニケーションのかたち』がテーマ。イベントは、モデレーターを務める未来創造研究所「インクールージョン&アートデザインラボ 」リーダーの松本麻里による本企画に込めた想いの紹介から始まりました。「私たちは乃村工藝社の『空間創造によって人々に「歓びと感動」を届ける』というミッションの下、さまざまな取り組みを推進しています。未来創造研究所のなかでも、私は、アクセシビリティをテーマに、アートを介したプログラムや活動を通じた共生社会づくりを目指すインクールージョン&アートデザインラボで活動しています。その一つの例が、外出や体験を何らかの理由で諦めてしまっている方に向けて、空間づくりを通じて解決を提供するプロジェクトです。すべての人が参加できる外出やおでかけのための空間づくり「空間と体験のアクセス フォー オール」をミッションに、3つのアクセシビリティ解決=物理的(環境の強い刺激や人混み等)・心理的(赤ちゃん連れや障害のある方のご家族等)・交流(多様な人々や価値観と出会う)を掲げ、様々な取り組みを進めています。」その取り組みをきっかけに、今回のイベント・テーマと2名の登壇者が決定しました。一人は「パレイドリア(そこに存在しないものが見えてくる心理現象)」の研究者である立命館大学教授の高橋康介さん。そしてもう一方が、コミュニケーションを豊かにするロボットやフィジェット・トイ(ストレス解消や集中力向上を目的としたおもちゃ)を開発・製造するユカイ工学株式会社COOの鈴木裕一郎さん。そのお二人をゲストに迎え、認知や触覚をテーマに「人と空間のちょっと未来」を考察します。ふしぎや錯覚は楽しいもの。「楽しいは役立つ!」が合い言葉最初のプレゼンテーターは、立命館大学総合心理学部教授の高橋康介さん。『知覚心理学者が語る ちょっと自由で ちょっと不自由な 知覚近くと認識の話』と題した、体感・体験も取り入れた興味深いお話が展開されました。「私は心理学の中でも特に、モノがどう見えるかということを研究しています。早速ですがこれは何に見えますか?」さまざまな絵や図形がモニターに映し出されていきます。波線と折れ線、円と渦巻きといった形状の見え方、明と暗、濃と淡、色彩といった色の見え方、また止まっているのに顔を動かすと絵が動いて見えたり、絵の中に顔や図形が浮かび上がって見えたり、さらには「音にも似たような錯覚がある」と、雑音のようなサウンドを流した後に言葉を聞かせると、先に聞いた雑音の奥にその声を聞き取ることができる…といった、参加者は錯視・錯覚を体感することとなりました。「同じモノを見ているのに、一人ひとり捉え方が異なります。認識は自由であり、これが正解というものはある意味で無いのですね。つまり、認識というものはちょっと自由で、ちょっと不自由なんです」その後は、高橋さんがアフリカ・タンザニアで実施した調査結果について説明。「笑っている印象の『スマイルマーク』があります。日本人なら多くの人が“笑顔”に感じるイラストですが、タンザニアのとある村で調査すると、半分ほどの方が笑っていないと感じたという結果を得ました。スマイルマークといえども、誰にとっても笑っている訳ではないという驚きの結果でした。モノの見方や感じ方は、本当に多様なんですね」最後に高橋さんは、『知覚心理学×まちづくりプロジェクト』の立ち上げについて紹介しました。「子どもたちと唇の絵を持って、壁や家具など身のまわりにあるものに当てて顔をつくるなど、パレイドリアを取り入れて街中で遊ぶ取り組みを実施しています。そうした行為を通じて、いつもの風景がまた違って見えたり感じられたりするんです。私の目標は、ふしぎや錯覚などを通じて、ふだんの生活をもっと楽しく、遊び場のようにしていくこと。たまに『それって世の中に役立つの?』と言われますが、いつもこう言い返しています。『楽しいは役立つ!』と。この合い言葉を広げていきたいと思っています」ステージ横には 、高橋先生が持参した様々なアイテムによる「ふしぎな 錯覚 体験ラボ Mini @乃村工藝社 未来創造研究所」が設置され、たくさんの参加者がふしぎな体験を楽しみました。直感的に・感覚的に自分が欲しいものを考え、生みだすつづいては、ユカイ工学でCOOを務める高橋裕一郎さんのお話へ。スタートは自己紹介から。「私はエンジニア出身です。ユカイ工学入社前から、家族をつなぐコミュニケーション・ロボット『BOCCO(ボッコ)』を愛用していました。当時は忙しく過ごしていましたが、離れていても本当に子どもとのコミュニケーションを円滑に図ることができたんです。それでこんな素敵なプロダクトを生みだすユカイ工学で仕事がしたいと思い、入社した経緯があります。『ロボティクスで、世界をユカイに。』という理念にとても共感していて、私自身が今もユカイ工学製品のヘビーユーザーなんです(笑)」知覚やコミュニケーションを軸に、ユカイ工学のユニークな製品やそれが誕生したプロセスなどが紹介されました。「心を癒す、しっぽクッション『Qoobo(クーボ)』は、クッション型のロボットですが、撫でるとしっぽをいろんな風に振って癒してくれます。これは女性デザイナーのアイデアから生まれました。自分を癒すアイテムを考えた時に、実家暮らしだった頃にストレスが少なかったのは身近にペットがいたからだと思い当たりました。そして都会でもペットの癒しを感じられるプロダクトを開発しました」人気製品『甘噛みハムハム』についても、その秘話を教えてくださいました。「ぬいぐるみの口に指を入れると、やさしく甘噛みしてくれるだけのシンプルなプロダクトです。2人の子どもを育てる男性営業マンのアイデアで、赤ちゃんや幼いペットの短い期間にしか体験できない、幸せなしぐさを再現した甘噛みロボットを開発しました」このようなアイデアが生まれるのは、ユカイ工学のある仕組みにひみつがあるようです。「毎週一回、社内で『妄想会』というアイデア創出の場を開催しています。リサーチやマーケティングによるものではなく、あくまでも個人として本当に欲しいもの、あったらいいなというアイデアを発表し合います。直感的かつ個人的で良いのです。ここで大切なのが、どんなアイデアも否定しないこと。皆で面白さや魅力を見つけて、育てていくんですね。また年に一回『メイカソン(メイク+マラソン)』というアイデアを創出しプロトタイプを発表する合宿を開催しています。インプットとアウトプットを大切にしながら、このようにアイデアを思い切り出しあう機会を多くつくっていて、そこからユカイ工学ならではのアイテムが生まれています」認知デザインにおける『心を動かし、人を動機付けすることのできるインターフェース』の重要性を紹介しながら、ユカイ工学のものづくりに関する独自のプロセスに、たくさんの参加者が興味を持ちました。そして鈴木さんへ、「最近は冷蔵庫が話したりと、機能が追加されるプロダクトが多いのに対し、ユカイ工学は機能を削ぎ落としある役割だけに特化しているのはなぜ?」と高橋さんが質問。鈴木さんは、「消極的なデザインという言葉がありますが、人は基本的に面倒くさがりであるという大前提があります。機能があることと使えることはイコールではありません。生活の中で、ある目的にシンプルに絞り込む思想で我々は考えているんですね」と回答し、高橋さんも納得の表情を見せました。グループを組んで参加者みんなで、感じたことを語り合うお二人のプレゼンテーションが終了すると、近くに座る参加者同士でグループを組んで高橋さんと鈴木さんの話を聞いて思ったことや、本日の感想などについて話し合いました。まずは自己紹介をすると、「どんなアイデアも意味がないと終わらせないで、育てていくという考え方がいいと思った」「当たり前のように見えているモノを、当たり前と想わないことが大切に感じた」「妄想会に参加してみたい」といった感想のほか、顔に見えた、宇宙人に見えたなど、実体験の紹介などの声が聞かれました。『甘噛みハムハム』に指を噛ませたり、『Qoobo』を撫でながら笑い合ったりと、盛り上がりをみせました。参加者からの質問も数多く発せられました。「錯視・錯覚と言っても意図して見えるモノと見えないモノがあるのはなぜ」という質問には、高橋さんは「脳の仕組みが原因となっている」とその原理を紹介。鈴木さんへは「妄想会のフレームワークのようなものはあるのですか?」という質問が寄せられ、「一切無いです。フレームワークがないからこそ個人の想いや熱意に基づいたいろんな着眼点が生じて、多様な(時に突飛で偏愛的な)アイデアにつながります」と回答。その他にもたくさんの質問がお二人に投げかけられました。ラストは美味しい&楽しい交流会へ!プレゼンテーションや質問会終了後は、参加者同士の交流タイムへ。飲み物のほか、この日のテーマの「知覚・認知」をテーマにした、見た目や香りにこだわった旬の創作料理がふるまわれました。美味しい飲み物と料理を味わいながら、知覚や認識に関する会話も弾みました。参加者の声錯視・認知の世界の不思議が、もっと不思議になりました。人による見え方の違いが、世界をみるとこんなにも違うんだということが、面白かったです。いかに人間の認識が個人の感覚で作られているのか、納得し体感した。しっぽのロボットが最初不気味だったが触ったらなんか愛着がわいて、感覚が不可逆だなと感じた。認知とは、大方みんな同じように感じていると思っていたが、無限にある複雑なものだと感じた。また、妄想から製品を作ったり、楽しいという事が役に立つ!などもっと自由にアイディアを出して良いのだと自信がもてた。錯視によるコンテンツはどんな場所でもできて、いろんなコミュニケーションが取れる面白いものと感じました。ロボットプロダクトは、それをきっかけとしたコミュニケーションや、空気づくりができそうに感じました。たのしかったです!たまたまクーボユーザーだったので開発秘話が聞けてうれしかったです。ニッチなテーマで普段考えた事がなかったので、非常に勉強になりました。次回の「人と空間のちょっと未来」もお楽しみに!
観客と選手の橋渡しになるemograf
はじめまして鈴木和真です。NOMLABでは、「emograf」という表情認識・感情推測技術を用いた空間づくりに取り組んでいます。このたび、emografは「B.LEAGUE AWARD SHOW 2024-25」に参加しました。「B.LEAGUE」とは、国内男子プロバスケットボールのリーグのことであり、そのアワードショーは選手への表彰とファンの皆さんとの交流イベントです。そこでemografを使った新しい演出をお届けしました。会場での2種類のリアルタイム演出と後日公開のコンテンツ、併せて3つのコンテンツを展開。まず、会場では、カメラで観客の表情をリアルタイムで認識・感情を分析して以下の2つの演出を展開しました。① 分析した観客の感情データにあわせて、空間の照明の色がダイナミックに変化。② バロメーターが画面に表示され、いま観客がどのくらい盛り上がっているのか?を数値とグラフで見える化。さらに、観客の感情記録データを活用し、以下のコンテンツを後日に展開しました。。③ 盛り上がった瞬間を特集した動画をBリーグ公式Xより公開。システム的な課題として、以前は1~3人程しか表情認識できないこと、また、暗くなるとカメラ認識が難しいことがありましたが、何度も試行錯誤を重ねることで、そのような課題もしっかり改良して、アップグレードしたemografを現場にて展開できました。エモグラフ演出すると、嬉しい思わぬ収穫も。MCや選手たちがemografコンテンツをみるみると使いこなしていき、「MC/選手と観客のコールアンドレスポンス」時の観客の反応を定量的にわかるツールとして活用されていました。その結果、「MCや選手が観客を盛り上げると、観客もその盛り上がりに応えてエモグラフのメーターや照明を変化させようと応える」という良い循環が生まれました。こうした空間体験をより良くしようと観客と演者がemografコンテンツを活用する姿を見ると、「emograf」が両者の“橋渡し役”となっているように感じます。いつか、これをスタジアムやアリーナなどでもやってみたい!感情が見える技術「emograf」で、選手と観客の間の距離がさらに縮まり、より豊かなコミュニケーションや行動変容が生まれるようになるかもしれません。インターバル中のミニコンテンツとしてもぴったりなので、今後さらにいろんな場面で広げていきたいです。スタジアムやアリーナへの導入や新しい企画に興味がある方は、ぜひ気軽にご連絡ください。
乃村工藝社のR&D活動「歓びと感動学」の成果をまとめた書籍『空間の歓びと感動学』が出版されました
2021年からスタートした研究活動である「歓びと感動学」の成果をまとめた書籍、『空間の歓びと感動学』が出版されました。書籍は、書店ならびにAmazonなどでご購入いただけます。電子書籍もご利用いただけます。Amazonリンク→ https://amzn.asia/d/eH4P9kc以下、書籍の概要です。 ”感性を科学で解き明かす。途方もない取り組みの始まりだ。”[建築家 藤本壮介氏 推薦文] “美しい”だけでは伝わらない。“機能的”だけでは足りない。空間が人の心を動かす理由を、感性と科学の両面から検証する 長い通路を抜けたあと、視界が広がるあのなんとも言えない気持ちよさ。カーテンの色ひとつで空間の印象が一変する不思議さ。木のぬくもりや素材の感触に、ふと心が和らぐ瞬間――。様々な空間を訪れた時、「なんかいい」と感じることはありませんか?本書は、博覧会や商業施設、オフィスなど多様な空間づくりを130年以上手掛けてきた乃村工藝社が、「空間における歓びと感動とは何か」という根源的な問いに挑む新しい研究の記録です。空間に宿る力が、どのように人の感情や行動、記憶、持続的な満足につながるのかを明らかにするために、「人についての研究」「空間についての研究」「人と空間の相互作用」という3つの軸から、科学的・学術的なアプローチで探究をしています。感動のメカニズム、空間での感情の変化、床の質感が人の意識に与える影響、うるさくも静かでもない最適な音環境、木材の特性など。多彩な研究を通して見えてくるのは、空間の無限の可能性です。空間づくりに携わる人、そして空間を利用する人に伝えたい、新たな視点と創造のヒントが詰まった一冊です。――――――――――――――――――――――――≪目次≫はじめに青野恵太|「歓びと感動学」プロジェクトチーム リーダーChapter 1|感動を生み出す空間とはChapter 2|感動は測れるのか Research 1|感動プロファイリング―感動はどのように定義できるか Column|感動のメカニズムと空間デザインの可能性 戸梶亜紀彦氏|東洋大学 社会学部 社会心理学科 教授 Research 2|空間の新しいものさし― 感動と空間の関係を科学的に捉える Column|人の気持ちを理解する技術で感情をモデル化する 菅谷みどり氏|芝浦工業大学 工学部 情報工学科 教授Chapter 3|交差する空間と感覚 Research 3|床面と認知―空間における床の踏み心地と心の関係性とは Column|触覚が変える空間と人の感情 南澤孝太氏|慶應義塾大学 大学院 メディアデザイン研究科 教授 Research 4|音環境― ちょうどよい賑やかさを生む音環境 Column|音環境の設計におけるアノニマスの役割 上田麻理氏|神奈川工科大学 情報学部情報メディア学科 応用音響工学研究室 准教授 Research 5|木の特質― 素材がもたらす感動とは? Column| 共同研究者座談会|企業を越えてつなぐ木の感動と可能性Chapter 4|歓びと感動学、歩みとその先へ Discussion|「歓びと感動学」リーダー座談会|ひとりでも多くの人に歓びと感動を 青野恵太|クリエイティブ本部 クリエイティブプロデュースセンター no.10 部長 山口 茜|クリエイティブ本部 未来創造研究所 ビジョンデザイン部 部長 古田陽子|サステナビリティ推進室長おわりに大栁友飛|「空間の歓びと感動学」出版担当者――――――――――――――――――――――――
シリーズイベント「人と空間のちょっと未来」 第2回『多拠点生活と渡り鳥のくらし―ヒトの住まい方と、ツバメの棲み方』開催!
少子高齢化や働き方の自由化、そしてテクノロジーの進化など社会や暮らしが大きく変化し続けているいま、「人」と「空間」の関係性も見つめ直すべき時期に来ています。自分たちを起点に、さまざまなアイデアのタネづくりを目指し活動をつづける未来研究所は、そうした変化の先にある新たな関係性を多角的に探るべく、シリーズイベント『人と空間のちょっと未来』をスタートさせました。2025年8月に第1回として開催され、大好評を博した前回のテーマは『宇宙居住と菌』。地球におけるこれからの暮らしや、人と空間の関係についてゲストと共に探りました。▷第1回の模様はこちらそして2回目となる今回は、『多拠点生活と渡り鳥のくらし ―ヒトの住まい方と、ツバメの棲み方』がテーマ。多拠点生活をはじめライフスタイルや価値観が多様化するいま、渡り鳥の暮らしや棲まい方にヒントを得ながら、これからの私たちの“居場所の在り方”を探る企画です。これまで「居住」と言えば、終の棲家という言葉に象徴されるように固定的な視点で考えられてきました。しかし、自然界に目を向けると、野生動物たちは季節や環境の変化に合わせて柔軟に居場所を変えるという、フレキシブルな生き方・暮らし方を実現しているのです。価値観もライフスタイルも変化しつつある今だからこそ、これからの私たちの居場所の在り方を見つめたいと考えました。今回は地方移住や二拠点居住等の支援を手がける吉冨諒さんと、ツバメなど渡り鳥の研究を行う北村亘さんをゲストに迎え、プレゼンテーションやクロストークを通して「人と空間のちょっと未来」を考察します。多拠点生活のハードルが下がり、どんどん身近なものになっている『多拠点生活と渡り鳥のくらし ―ヒトの住まい方と、ツバメの棲み方』がテーマの今回、それぞれ異なるジャンルのエキスパートである2名の専門家に登壇いただきました。一人は、公益社団法人 ふるさと回帰・移住交流推進機構 ふるさと回帰支援センター プロジェクトマネージャーの吉冨諒さん。地域での暮らしや多拠点生活の専門家です。そしてもう一方は、東京都市大学 環境学部 環境創生学科 准教授の北村亘さん。ツバメの浮気研究やコアジサシの繁殖行動、渡り等の研究を手掛けておられます。未来創造研究所の鈴木和博と土金慧子がモデレーターを務め、たくさんのオーディエンスで賑わうなか、多彩なトークを繰り広げました。イベントの前半は、ゲストのお二人がそれぞれの視点からのプレゼンテーションを展開。最初のプレゼンターは吉冨さんです。「ふるさと回帰・移住交流推進機構 ふるさと回帰支援センターに寄せられる移住相談に、興味深い変化が見られるんです。2008年当時は50代以上の高い年齢層からの相談が7割以上を占めていましたが、近年はそれが逆転し、40代以下が約7割を占めるようになりました。つまり、若い世代が移住を考えているようになっているんですね」吉冨さんはこういった「二地域居住」にまつわる現在のトレンドからスタートし、続いて話題はニーズの変化へ。「テレワークが定着して働き方も多様化し、選択肢の幅が大きく広がっています。以前は『いつか良い場所があれば…』といったペースでのご相談も多かったのですが、最近は『一年以内をメドに考えている』や『子どもの成長に合わせたタイミングで自然豊かな環境に移りたい』といった、比較的近い未来で具体的にお考えの方が増えています」。こうしたトレンドに対し、第二の住民票とも言われる「ふるさと住民登録制度」や子どもが学区をまたいで就学を継続できる「区域外就学」といった国や自治体側の対応、また都市と地方の両方の良さを教育活動に取り入れることができる「デュアルスクール」などのサービスを紹介。二地域居住や多拠点生活の制約や課題に対するハードルが下がったことで身近になり、実際にそういった暮らしをスタートさせる人が増えているとのお話でした。ツバメは多拠点生活のスペシャリストつづいて、ツバメの研究を手がける北村さんのプレゼンテーション。「考えたこともなかったのですが、今回のテーマを与えられて気づきました。ツバメって、多拠点生活のスペシャリストなんだと」そう話し会場を笑いで包むと、「ツバメの研究というとほのぼのした印象かも知れませんが、実は兄弟の仲が悪かったり浮気が多かったり、知れば知るほど面白いんです」と、ツバメをはじめとした渡り鳥の生態や特色について紹介いただきました。衣・食・住をキーワードにしたツバメの紹介は特にユニーク。「ツバメはメスがオスを選び、モテるモテないがすごくあるんです。見栄えの良いオス、つまり“衣”が魅力的なオスがとにかく選ばれます。“食”は命の基本。日本に生息するツバメは豊富なエサを求めて夏期は国内で過ごし、秋頃からは東南アジア地域に渡ることが分かっています。そして“住”は、巣や棲む地域のこと。ツバメは自分が生まれた地域に棲みますが、まったく同じ場所に棲むことはありません。渡った先から日本に戻ると最初は他のツバメが残した古い巣を活用して1回目の繁殖をします。その後に巣を新築して、2回目の繁殖を行うんです」参加者は興味深く北村さんの話に聞き入りました。そして後半はクロストークに。吉冨さんが「日本に戻ったツバメは、誰かが残した古い巣に入るとは知りませんでした」と驚きを見せると、北村さんは「一刻も早く安全に子育てをするためです。古い巣があるということはエサの状況も安全面も良い可能性が高いということなんです」と回答。吉冨さんは「人の移住のヒントになりますね」と納得の表情でした。一方の北村さんは、「多拠点生活に興味はあるけれど、場所の選定や移動のコスト、さらには仕事のことなど障壁がありすぎて、具体的なイメージがまったくつかないんです」と相談。吉冨さんは自身の経験や最近の事例などを交えながら、「いきなりこの場所と言うのではなく、その場所に実際に触れたり、居住者と交流を持ったり、少しずつ輪の中に入っていって選ぶことが望ましいですね」とアドバイスを贈りました。モデレーターの鈴木は温暖化の影響で渡りをやめた“越冬ツバメ”の事例に触れ、北村さんは「人もツバメも同じく変化の中にありますね」と応じました。また土金が「ツバメは子育てが終わると一家が解散して、それぞれが好きな場所に渡っていくことを知りその自由さは羨ましくなりました。人は基本的に家族という単位で暮らしますが、その家族観に変化の予兆はありますか?」と問うと、吉冨さんは「各々が求めることを大切にしながら別の拠点で暮らすケースも実際に聞くので、我々が思っている以上に多様かもしれません」とのことでした。このように多拠点生活とツバメの暮らし、2つの視点を交差させながら、さまざまな話が広がりました。今回、ツバメを“多拠点生活のスペシャリスト”と捉えて深掘りしてみることで、意外なライフスタイルや家族観が見えてきました。また集うことで生じる共有意識や行動変容を捉えなおすことの重要性も改めて感じました。人の暮らし方や働き方、子育てなどのニーズが変わりつつある今、わたしたちプランナーやデザイナーが企画・デザインする新しい「居場所」に向けたヒントがいくつも垣間見えました。ツバメがこの季節に渡る東南アジアの味を楽しむ、美味しい交流会!クロストーク終了後は、食や飲み物を楽しみながらの交流タイムへ。この日のテーマの「ツバメ」が、本イベントが開催された9月頃より東南アジアへと渡ってゆくことにちなんで、東南アジアの料理や飲み物をご用意しました。飲食を堪能しながら、ご参加いただいた幅広いバックグラウンドをお持ちの方々との会話が弾みました。またサプライズとして、北村さんからツバメの浮気研究についての特別講義も実現。会場からは質問が相次ぎ、最後まで熱気あふれる時間となりました。ありがとうございました!参加者の声二地域居住とツバメの話がどうリンクするのか?と思いましたが、思わぬところでの関係性があり、とても興味深く聞かせていただきました。活発な質疑応答の雰囲気もさすがだなと、思いました近年人気が高まっている多拠点生活についての調査結果などがグラフで示されており、具体的なデータを見ることができて大変興味深く感じました。また、ツバメの浮気のお話も非常に面白く、質疑回答も含め、もっと聞いていたいと思うほどでした人とツバメの棲み方を比較しながら未来を考えるというテーマ設定に、creative Lab.らしさを感じ、非常に面白かった。時間があっという間に終わってしまった次回の「人と空間のちょっと未来」もお楽しみに!
シリーズイベント「人と空間のちょっと未来」第1回『宇宙居住と菌ー 宇宙で人間らしく、心地よく暮らすためには?』開催!
未来創造研究所は 、アイデアのタネづくりをしていくことを目指すべく、「空間」を取り巻く社会や生活者の変化を先読みし、未来の兆しを捉える幅広い視座でのリサーチと提言活動を行っています。今回新たにスタートさせたのが、シリーズイベント『人と空間のちょっと未来』。決して遠くない、そしてまだ揺れ動くであろう「ちょっと未来」。少子高齢化や働き方の自由化、テクノロジーの進化など社会や暮らしが大きく変化し続けているいま、「人」と「空間」の関係性も見つめ直すべき時期に来ています。そうした変化の先にある新たな関係性を多角的に探る企画です。その第1回目が、オープンイノベーションを生みだす研究拠点“Creative Lab.”を舞台に2025年8月7日(木)に開催されました。初回のテーマは『宇宙居住と菌』。わたしたちが普通に宇宙という極限の世界に居住するようになる時代。そこで人間らしく暮らすことを考えるために、空間デザインで考えるべき要素はどんなことがあるのか?そんな思いからこのテーマを選びました。宇宙進出を、地球人が一体であることを明確化する良い機会にする今回のテーマにまつわるお話をしてくださる2名の専門家に登壇をお願いしました。一人は宇宙での人工重力の研究を手がける鹿島建設イノベーション推進室担当部長(宇宙)/京都大学SIC特任准教授の大塚琢也さん。そしてもう一名は、2025年大阪・関西万博パソナ館の建築デザインを担当し、書籍『菌の器』の著作者として菌・微生物への造詣も深い建築家の板坂諭さん。未来創造研究所の山口茜をモデレーターに、たくさんのオーディエンスで賑わうなか、独特の見地からの多彩なトークが繰り広げられました。前半は専門家のお二人が、これまで手がけてきたことや取り組みなどについてのプレゼンテーション。最初のプレゼンターは大野琢也さんです。鹿島建設で宇宙担当を務めている大野さんは、抱えている危機感や現在の取り組みについてこのように話しました。「人類は地球が46億年かけてつくってきた資源を、200年ほどの短い期間で使い果たそうとしています。しかも使い果たすだけでなく、未来の社会や子孫に大きな負債を残そうとしているほどです。地球環境からさらには宇宙も見据えて、人類活動を再考しなくてはならないと思っています」幼少期から興味を持っていたことや、ご自身が手がけたスプレーアートや模型、仕事の実績などをユーモアを交えてたっぷりご紹介いただき、宇宙居住や建築を志したきっかけについても語ってくださいました。「ミース・ファン・デル・ローエが100年ほど前にスケッチしたガラス張り高層建築や、へリット・リートフェルトが同じく100年ほど前に手がけたレンガ、鉄、ガラス、コンクリートを融合させた住宅に触れて、“未来を予測して導く建築とは、なんてすごいんだ!”と感じて建築を志しました」そうして、大野さんも建築への好奇心が高じて宇宙建築を描くように。「人類の分断を避けたいとずっと思ってきたのですが、現在はその分水嶺にあります。宇宙進出は、地球人のアイデンティティ1Gを共有することで人類は一体であることを明確化する機会になるので、そういった部分でも宇宙への居住には強い気持ちを持っています」そんな想いを抱きながら重ねてきた、数多くの研究や作品について紹介され、大野さんが熱く語る人工重力説を基にした宇宙居住空間『ルナグラス』や『マーズグラス』の構想や仕組みに、参加者の皆さんも興味津々で聞き入りました。宇宙居住を考える時に菌などの環境工学は不可欠な存在につづいてのプレゼンターは、建築家の板坂諭さん。建築設計事務所/デザイン事務所のthe design laboを主宰し建築やプロダクトを手がけるだけでなく、菌や微生物に関する研究家でもあります。宇宙と居住を考えた時に、“菌”も非常に重要と話されました。「日本人はあらゆるところに八百万の神を感じる文化を持ち、自然やものにも畏敬の念を持って暮らしてきました。日本は世界的に見てもかなり早くから、麹菌をはじめとした菌を暮らしに取り入れています。その文化には、菌や微生物という存在を明確に意識していたことがあると思っているんです」「人体は自身を構成する細胞の数よりも多くの菌で構成されています。人や動物は菌によって思考や行動をコントロールされているという話もあるほどです。人は生物のピラミッドの頂点に居るかと思いきや、菌の器でしかないのですね」「たとえば除菌をするとその瞬間はキレイになりますが、悪い菌が付着すればその環境は悪い菌にとって天国になります。つまりは菌のバランスを保つことが重要で、そこが崩れると健康を害することになりかねません」そんな、菌に関する興味深い話を進めながら、宇宙居住と菌についても見解を話して下さいました。「宇宙での居住空間を考慮しますと、耐性やメンテナンスの面でケミカルな建材や素材が使われがちです。でも、人の体への影響を考えると菌や微生物にフレンドリーな素材を取り入れる必要があります。そうしないと人の免疫力が弱まる可能性があり、思いも寄らない感染症の発生に繋がりかねません。宇宙居住に、菌の視点を取り入れた環境工学は不可欠なんです」板坂さんの取り組みや考えが紹介され、山口 からの問題提起も加わり、自由なトークセッションへ。大野さんの「菌は目に見えないですが、板坂さんは日常のなかで菌を感じることはあるのですか?」という質問に、板坂さんは「オフィスで植物をたくさん育てていて、水やりが毎朝の日課です。都心部ながらもそこにトンボやチョウといった虫が飛んでくるんですね。そうするとそこには微生物が存在していて、生態がつながっていることが理解できます」と回答。また山口からは、「このラボには、天然木の床や植物がたくさんあり、こうした環境が菌を豊かにしている。菌が元気でいられることが、空間の”居心地の良さ”を創り出していたのかもしれません。このように、 空間デザインにおいて、菌の視点を空間の居心地の良さの指標として用いることもできるのではないか。」というも意見も。板坂さんからは、「高層階では菌が存在しにくく、健康にも影響があると言われている」という話や、大野さんからは、「微生物が豊富に存在する土や生命そのものは、人間が生みだすことはできません。八百万の神と菌という日本の価値観や文化を、改めてこの日本から発信していくべきです」と話すなど、宇宙と菌、微生物がつくる環世界が、宇宙(低重力)での空間デザインや、素材、暮らし方を考えていく、さまざまなヒントとなる議論が行われました。『宇宙居住と菌』にちなんだ飲食を味わいながら参加者と交流トークセッション終了後は、食や飲み物を楽しみながらの交流タイムを開催。この日のテーマ『宇宙居住と菌』にちなんで、発酵食品を中心としたケータリングや、未来創造研究所の地域デザインチームがつくった日本酒の試飲も行われました。また「納豆菌は宇宙から来たという説もある。±100℃でも耐え抜く強い菌」と語る板坂さんの、オススメわら納豆もふるまわれました。飲食を堪能しながら、集った幅広い職種の参加者との会話も弾みました。参加者の声 菌視点、宇宙視点がなかったので大変面白かったです。木に関わる仕事をしているのでいろんな可能性があるなと感じるきっかけになりました菌と宇宙建築ということで、普段関わらないような、「かけ算」のトークが面白かったです! 菌についてとても興味が湧きました日頃ではあまり考えることの無い視点からお話を聞くことができて、これからの考え方に大きな影響をもらえそうなイベントとなりました数分きくつもりで立ち寄ったら、「へぇ~!!」の連続で話が興味深くて最後までひきこまれました。トークされていたように「菌目線」がこれからの未来の新常識になりそうです宇宙×菌with空間という切り口がとても興味深かったです。少し未来のはなしをするには、斬新な切り口が必要だと思いました宇宙のキーワードをきっかけで参加したが、菌の話や懇親会での他の参加者との交流にも大いに刺激を受けましたこれからも魅力的な登壇者のご協力や、興味深いテーマを設定しながら、「人と空間のちょっと未来」をつづけて行きますので、ご期待下さい!
代官山 爽涼祭 2025
東京の中でも歴史とモダンが静かに共存している代官山エリア。最新のトレンドが発信されるエリアでありながら、その土台には長年育まれてきた落ち着いた街の風情と文化が息づいています。そんな代官山で2022年から始まった「爽涼祭」は、地域商店と住民が共につくる夏の風物詩として愛されています。2025年の爽涼祭は、「代官山 爽涼祭 WEEK」として9/20(土)~9/28(日)と期間が拡張して開催されます。TSUNAGU(つなぐ)をテーマに、代官山TーSITE、フォレストゲート代官山、ログロード代官山、ヒルサイドテラスなどでは縁日、小さな花火大会、トークショーなど、さまざまな催しが行われます。われわれ乃村工藝社 未来創造研究所はこの取り組みに賛同するとともに、日頃の研究を社会実装する機会としてこのプロジェクトに参画、 共創パートナーとして一緒に爽涼祭を盛り上げていきます。植物発電によるイルミネーション*1や、音を探して散歩するスタンプラリー、廃棄物から作られたスピーカーの設置、幼児がお昼寝できるソファの設置、飯能の森で作られた木材循環ベンチ、そして縁日から排出されるCO2排出量の測定やリサイクルステーションの設置*2など、たのしくて、ちょっとすてきが詰まったコンテンツをお届けします。好きな人たちに囲まれて、きらきらまぶしい子どもたちの笑顔と、なつの終わりをたのしむ、9日間。まわりのみんなとつくり上げる、ちょっとだけ涼しい、代官山の爽涼祭。【開催概要】代官山爽涼祭20252025年9月20日(土)-9月28日(日)HP:https://store.tsite.jp/daikanyama/souryousai/?srsltid=AfmBOooAZjNeYWBFTHWiBFZzJPXyNuqL-Qe4sNMspAR4NJhQPZkBskQFInstagram: https://www.instagram.com/daikanyama_soryosai/【展示概要】*1 株式会社グリーンディスプレイとの共創*2 株式会社ジャパングレーラインとの共創 【関連記事】material record:https://rd.nomurakougei.co.jp/project/sustainable/page/material-record植物発電:https://rd.nomurakougei.co.jp/project/technology/page/phenomenonSOUND SEEK powered by oto rea:https://rd.nomurakougei.co.jp/project/technology/page/oto-rea
ジェネラティブデザインと製造技術、職人技によるセラミック3DプリントをOSAKA FUORI SALONE 2025にて展示
乃村工藝社の未来創造研究所NOMLABとローランド ディー.ジー.による、3Dセラミックプリントの内装建材への開発を目的とした共同プロジェクトは、立体的なタイルデザインの自動生成を目指す。本プロジェクトでは、プログラムを介したデザインデータの自動生成、製造、施工方法などをクリアした「Prototype Pattern 立涌」を「OSAKA FUORI SALONE 2025」にて展示いたします。 「OSAKA FUORI SALONE 2025」9月10日(水)~16日(火)大阪なんばエリアを中心に開催される世界最大の家具見本市「ミラノサローネ」と同時に開催されるデザインの祭典「フォーリサローネ」の日本版として、ミラノの姉妹都市である大阪市でプレ開催されるものです。テーマである“陶酔するライフスタイル”の下、【住】(建築・家具他)を中心に、“アート性の高い暮らしを潤すモノやコト”の魅力発信を図るべく大阪府市内の関連ショールーム(店舗)、関連施設(ギャラリー他)を活用し、展示・体験・ステージプログラムを実施されます。 「 OSAKA FUORI SALONE 2025 」特設サイト OSAKA FUORI SALONE 2025Prototype Pattern 立涌平面的な文様を紐解き、立体的な文様としてにプログラムにより生成されたデザインです。3Dプリンターによる造形技術を組み合わせて、これまでにない装飾の可能性を示します。生成されたデザインは同じものは二つとなく、最終工程では職人による釉薬(ゆうやく)を施すことで、デザインの美しさと素材としての揺らぎや深みが生まれ、光のあたり方によって豊かな表情を見せるようになります。デジタルの精密さと、職人の感性が重なり、新しい内装建材としてのセラミックの可能性を示します。ローランド ディー.ジー.株式会社についてローランド ディー.ジー.株式会社は「世界の創造(ワクワク)をデザインする」をパーパスに掲げ、誰もが手軽に表現やものづくりを行えるデジタルソリューションを通じてより豊かな社会の実現を目指します。主力製品の業務用インクジェットプリンターは、広告・看板からインテリア装飾まで幅広いビジュアルコミュニケーション用途で活用されています。また、個人のニーズに合わせたグッズのパーソナライズや、少量多品種のカスタマイズ生産を実現するプリンターやカッティングマシン、3Dものづくり製品などにより、デジタルファブリケーションの新しい可能性を開拓しています。近年では、プリント業務の生産性向上を実現するコネクテッドサービスや、独自のシステムで中小製造業の生産現場を改善するクラウドサービスを提供し、デジタルトランスフォーメーションの推進に積極的に取り組んでいます。
ロケットタンクスピーカー「DEBRIS(デブリ)」リリースパーティー、宇宙の廃材が奏でる音楽体験
noon by material record × &SPACE PROJECT「DEBRIS」リリースイベントレポート2025年6月27日、東京・日本橋にあるホステル「CITAN」にて、ロケットの燃料タンクから生まれたスピーカー「DEBRIS(デブリ)」のリリースイベントが開催されました。素材の記憶に耳を澄まし、音のなかに宇宙と地球のあいだを感じる一夜。会場には、宇宙開発や素材の循環、音楽に関心のある人々が集い、「DEBRIS」がたどってきた旅路に耳を傾けました。「DEBRIS」は、北海道・大樹町にある民間ロケットの試験用燃料タンクを素材に、音響装置として再構築したスピーカー。地球資源と音をテーマに探究する「noon by material record」(乃村工藝社)と、宇宙をもっと身近な存在へとひらく「&SPACE PROJECT」による協働で誕生しました。本イベントでは、DEBRISが旅してきた時間と場所を伝えるトークセッション、オリジナル楽曲の視聴会、DJプレイが展開されました。「DEBRIS」特設サイト DEBRIS | ROCKET TANK SPEAKERスピーカーを通して語られた、プロジェクトの背景と宇宙産業の現在地トークセッションには、&SPACE PROJECTの中井章郎(DOKASEN)氏、noon by material recordの後藤慶久(乃村工藝社)氏が登壇。さらに、北海道大樹町役場より、宇宙港「北海道スペースポート」に関する応援メッセージも寄せられました。「世界では今、毎日のようにどこかでロケットが打ち上げられています。宇宙は遠い存在ではなく、私たちの生活にも影響する“となり”になりつつあります。だからこそ、このプロジェクトはロケット産業のまち・北海道大樹町と連携し、廃材となる燃料タンクを使ってスピーカーをつくることに意味があると考えました」(中井氏)そして「DEBRIS」のデザインを手がけた小山田創(乃村工藝社)と楽曲制作を担ったトラックメイカーGONNO氏が加わりスピーカーと楽曲に込めた意図が語られました。「無重力の空間では、上下も前後も曖昧になります。DEBRISは、そうした宇宙的感覚をかたちにするため、音が全方位に広がる“無指向性”の構造としました。素材の質感や、浮遊するような構成は、時間と空間の境界をあいまいにします。素材の声に耳を傾けることで、何かが見えてくる──そんな存在になればと願っています」(小山田氏)この日披露された楽曲「Universe and Universal Life」は、トラックメイカー・GONNO氏による新作。北海道・大樹町で収録された風や波、ビーコンの音といったフィールドレコーディング素材をもとに構成され、DEBRISから再生されました。「“Universe”は宇宙、“Universal Life”は普遍的な生活。この二つが並ぶことで、非日常と日常が溶け合うようなイメージが浮かびました。音づくりの面では、未来的な技術の質感と、自然に寄り添う優しさが共存するサウンドを目指しました」(GONNO氏)“DEBRIS”が揺らした夜の余韻夜も更けるころ、GONNO氏と増村和彦氏、によるDJプレイが始まると音はさらに場の密度を高めていきました。DEBRISに宿る素材の記憶が、会場を揺らし東京の夜に新しい余韻を刻んでいきます。来場者の多くが音楽に身を任せ、ときに言葉を交わしながら、互いに感じた可能性を語り合っていました。音は媒体であると同時に、記憶の装置であり、対話の導火線にもなり得る──そう実感できる夜となりました。【イベント概要】イベント名:「DEBRIS」release party日時:2025年6月27日(金)会場:CITAN(東京都中央区日本橋大伝馬町15-2)主催:noon by material record × &SPACE PROJECT出演:GONNO、増村和彦、Okazaki Keigo(DJ)本イベントのメディア掲載情報についてはこちら
床のデザインは人の心に影響を与える?「デザイナーの暗黙知を明文化する実証実験チーム」CHI 2025 Late-Breaking Work 採択
2025年4月、乃村工藝社 歓びと感動学「デザイナーの暗黙知を明文化する実証実験チーム」と「慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科Embodied Media Project (南澤孝太教授)」 が共同で進めてきた研究論文が、国際会議「CHI 2025」のLate-Breaking Work(LBW) Track に採択され、学会発表を行いました。 論文タイトル:Understanding the Floor Experience: A Case Study of the Soft and Hard Floor Material Effect on Subjective Impression of the Exhibited Objects著者: Burcu Nimet Dumlu, Kiryu Tsujita, Takatoshi Yoshida, Arata Horie, Tatsuya Saito, Yuh Yoshie, Kiyotaka Tani, Hisaaki Yokoyama, Keita Aono, Kouta Minamizawa本プロジェクトは、我々がこれまで空間デザインの実践において、天井・壁・床といった空間要素を多角的にデザインしてきた中で、今まで暗黙知として扱われてきた「歓びと感動」の感覚を、学術的・科学的手法によって解明・言語化することを目的としたものです。今回の研究では、特に「床面」に着目。床面は、日常生活において人が常に接している面であり、空間との最も直接的な接点です。そのため、空間デザインにおいてもその見た目や踏み心地は重要なデザイン対象とされてきましたが、床のもつ触覚的感覚が身体や認知に及ぼす影響については、十分に分析されてきませんでした。そこで、我々は、作品鑑賞という繊細な認知行動を対象に、床面の触覚的な質感が人の印象評価にどのような影響を与えるかを実証実験によって検証を行い、身体的な感覚と認知の関係性を科学的に分析することで、空間デザインの新たな評価軸を提示しました。この研究成果は、空間体験における「歓び」や「感動」をより高精度にデザインするための基盤となるものであり、今後の空間創造における指針となることが期待されます。■学会詳細学会:The ACM CHI conference on Human Factors in Computing Systems開催日:2025年4月26日~5月1日開催場所:パシフィコ横浜、日本論文URL:https://dl.acm.org/doi/10.1145/3706599.3720112
NOMURA OPEN LAB 2025、未来志向の熱気に包まれた2週間
新たにオープンした研究拠点Creative Lab. にて、わたしたち未来創造研究所の多岐にわたる研究テーマを、22本のトークセッションと展示でご覧いただくNOMURA OPEN LAB 2025。当初見込みを大きく上回り、400名を超える社外のお客様にご来場いただきました。 今年は各研究が飛躍的に進んだこともあり、具体的なテーマを深掘りするセッションを展開。そのため、同じ関心や課題を持つお客様にお集まりいただき、熱いディスカッションが広がりました。 上の画像は、トークセッション『感動プロファイリングを通じて見えてきたこと』の様子。乃村工藝社が生み出す「歓びと感動」における“感動”とは何か。どのような時に“感動”が芽生えるのか、“感動”にはどのようなパターンがあるのか、そのプロファイリングに挑むという壮大なテーマ。この日は一緒に研究を進めている東洋大学・戸梶教授にもお越しいただき、心理学の専門知からお話しをいただきました。 国内外のさまざまなサステナブル素材を厳選し、「レコードショップ」をイメージして実際に手に触れられるコーナー。海洋プラスチックから生まれた板材、廃棄食材(例えばカレーライスも!)を熱プレスしたタイル材など、“探し出す楽しみ”を感じていただける演出になっています。建築・内装・ディスプレイの多ジャンルのマテリアルを横断的にご覧いただけます。 夕方からは、食事を交えた交流の時間に。引き続き研究テーマを語り合ったり、展示を手に取りながらアイディアを出し合ったり、未来志向のディスカッションが会場全体で花開いていました。ケータリングは、もったいない野菜使って持続可能な農業を支援する「ファームキャニング」さんより。味はもちろん、見た目も華やかに楽しみました。 乃村工藝社グループとしても新たな試みとなった研究交流会ですが、ビジョンを同じくする皆さまと「空間の未来」について熱く語り合うことができ、新たなクリエイティブへの可能性が実感できました。このような場を継続し、未来のしあわせな空間が生み出していきたいと思います。 ▶イベントのプログラムはこちらです▶ファームキャニングさんのリンクはこちらです
新感覚音声MRゲームコンテンツ 「SOUND SEEK powered by oto rea」をDIC実証事業として開催します。
株式会社乃村工藝社は2025年2月7日(金)から2月16日(日)の期間、臨海副都心ウエストプロムナード周辺で新たなゲームコンテンツ「SOUND SEEK powered by oto rea」を実施します。今回の実証イベントは、Digital Innovation City協議会の実証事業として実施するもので、街の中に配置された音を集めてチームで競い合う新感覚の音声MRゲームとなります。既存の空間に新たな設備等を追加することなく、新たなコンテンツサービスを提供することが出来る仕掛けで、公園など公共空間の新たな楽しみ方・魅力づくりに取り組む試みとなります。この実証コンテンツは、当社が株式会社GATARI(以下、GATARI)の技術協⼒のもとで制作する⾳響体験サービス「oto rea(オトリア)」を活用した初めての対戦型音声MRゲームとなります。最大6名での対戦型ゲームで、臨海副都心ウエストプロムナード滝の広場周辺の実空間にひもづけられた目に見えない仮想空間上の音源(サウンド)を、耳を澄ますことで探し出し、相手より早く獲得することを競います。ゲーム体験時間は約10分程度で、参加は無料です。体験希望の方は、こちらから応募ください。《SOUND SEEK powered by oto rea 参加体験者 募集要項》会場:東京臨海副都心 ウエストプロムナード 滝の広場 周辺エリア日程:2/7(金)~2/16(日) (※2/12、2/13はビジネスDayのため除く)時間:10:00~17:00(各回1時間区切り)受付場所:青海フロンティアビル1階受付ブース(東京都江東区青海2丁目4-24)体験所要時間:30分程度(※体験前の説明及び体験後のアンケート回答まで含む)定員:各回6名参加費用:無料参加条件・おひとり様でも複数人・グループでも参加いただけます。(1回あたり最大6人まで)・iPhone iOS 15.0以降、iPhone13Pro以上の端末(ProもしくはProMaxシリーズ推奨)をお持ちの方・上記のの端末に専用アプリ「Auris」をインストール可能な方※ただし上記条件に合わない方でも、現地にて端末貸出しも可能です。参加方法:下記応募フォームで事前お申込みください。日程調整の後、ご連絡いたします。参加予約フォームへ<Digital Innovation Cityとは>東京都は、デジタルの⼒で東京のポテンシャルを引き出し、都⺠が質の⾼い⽣活を送る「スマート東京」の実現を⽬指しており、臨海副都⼼は先⾏実施エリアの⼀つとなっています。臨海副都⼼では、「デジタルテクノロジーの実装」と「スタートアップの集積」を推進する「ベイエリアDigital Innovation City」(DIC)の実現に向けた取組を進めています。具体的には、スタートアップ等が開発する新たなサービスを誰もが活⽤しやすい仕組みづくりを進めていきます。そして、エンタメをはじめ、このまちの特⾊を活かし、様々な先端技術を活⽤した新たな取組を進めることで、まちの魅⼒を⾼め、賑わいを創出していきます。<DIC協議会とは>DIC協議会は、東京都(港湾局)、エリアマネジメント、研究機関、地元企業といった臨海副都⼼に関わる団体等が連携し、臨海副都⼼におけるDICの実現に向けて協議することを⽬的として、令和3年3⽉30⽇に設⽴し、活動しています。 ■昨年度実施した関連プロジェクトOdaiba Time Slip